淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家 - 世界クラシック名画撰集

淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家
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アイアン ホース

 

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アイアンホース
DER KONGRESS TANZT

アメリカ大陸をひとつのレールで結ぶ横断鉄道建設を描くフォード監督の壮大なスペクタクル。
 
アメリカ大陸を横断して東から伸びるユニオン・パシフィック鉄道と、西から伸びるセントラル・パシフィック鉄道がドッキングしたとき、アメリカは近代国家として第一歩を踏み出した。その歴史のひとこまを再現する巨大な西部劇。未開の大平原や砂漠を切り開き、ロッキー山脈を越え、若い鉄道技師を主人公に開拓魂を謳いあげる。ダイナミックなアクションに愛とユーモアをとりまぜて、29歳の血気にたぎるジョン・フォード監督の出世作になった。
<作品情報>
【淀川長治解説映像付き】
 
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  • 原題:THE IRON HORSE
  • 監督:ジョン・フォード
  • 脚本:チャールズ・ケニオン
  • キャスト:ジョージ・オブライエン/マッジ・ベラミー/C・エドワード・ブル/ウィリアム・ウォリング 
  • 製作年:1940年
  • 製作国:アメリカ
『アイアン・ホース』、このお話しましょうね。

『アイアン・ホース』?何ですか?
これはインディアンが汽車を見て、『アイアン・ホース』、鉄の馬と言ったんですねえ。
で、これはどんな話か。もうこれからご覧になったらおわかりでしょうけれども、ちょうどこの映画の二年前に『幌馬車』という映画をパラマウントがつくったんですねえ。

私はこれ観てびっくりしたんですね。西部劇でこんなの初めてだったんですね。
つまり、東部で暮らせない人が、どうにかして行きたい行きたいと、西部へ西部へ行こう、百姓、農夫さんが...『怒りの葡萄』ですね。
みんなが、もう家財道具もみんな馬車へ乗せて、西部へ西部へ行く話があったんです。
それ『幌馬車』。その馬車が全部、幌かけてあったんですね。

それを十台、二十台、三十台、百台、百台並んで、ずーっと西部へ、西部へ行くんですね。オレゴンの山の上を超えて行くんですね。
この西部劇を観てびっくりしたんですね。西部劇がオレゴンの上のロッキー山脈通る時に、雪の上を通って行くんですね。西部劇いったら砂漠だとか草原ばっかりだ思ってたら、雪がでてきた言って当時びっくりしたんですね。

そいで、どんどん、どんどん行くんだけど、途中で断崖絶壁にそのワゴンが落ちちゃうとこがあるんですね。もう家財道具乗せて家族みんな乗って行くのに、落ちるんですね。 凄いなあ。
そうして西部へ行くんですね。こんな西部劇初めてだ思った時に、これはいわゆる開拓劇なんですね。西部劇というよりもアメリカの歴史なんですね。
凄いもんがあるなあ、『幌馬車』凄いなあ思ってると、フォックスがそれから一年経って「俺とこだってつくるよ」ってつくったのが『アイアン・ホース』ですね。

パラマウントがああいうの作ったら、俺のとこは西と東の鉄道がずーっとどっちもどっちも、走って走って、真ん中でくっつくやつを作ってやろう。
監督は?うん、監督は今ちょっと目ぼしいのいるけど、これ、いいだろう思う。賭けだけど、いいだろう思う。誰?ジョン・フォード、そう言ったの、びっくりしたの。
ジョン・フォードは、こんな大作つくるとは思わなかったの。
当時、それで一生懸命つくったのが、この『アイアン・ホース』ですね。

で、この『アイアン・ホース』は本当に鉄をどんどん、どんどん、敷くんですけど、枕木それからその線路敷くんですけど、そんなに働く人いないの。
でもう困って、困って、チャイナタウンの中国の人と日本人をどんどん使ったんですね。

で、日本人、そこで働いた人と、ぼく会った事あるんです、もうお爺ちゃんの。
そしてその時に言ったのは、もうあれはねえ、ああやって一生懸命やってるうちにね、みんな疲れて喧嘩になるんですって。そうして酒飲んで、喧嘩になって倒れて死んだら、そこ、野っぱらに放っぽらかして続けて働く、そんな事が本当にあったんですって。

『アイアン・ホース』は、そういう労働者の苦しい、苦しい、男ばっかりの話を映画にしてるんですね。
で、ジョン・フォードはこれを作って、一躍ジョン・フォードは大作の監督になったんですね。これはジョン・フォードの、本当の本格的スタートですね。

という訳で、『アイアン・ホース』はアメリカ映画のひとつの歴史ですね。
歴史、大陸横断の汽車がくっついた、東と西がついた、そういう意味でこの映画の汽車と汽車とがくっつく、重なるところが大喝采。アメリカならではという映画ですよ。 

【解説:淀川長治】
 

29歳のジョン・フォード監督が大陸横断鉄道建設を題材にして描いた壮大な叙事詩。若い測量技師(ジョージ・オブライエン)の活躍にインディアンの襲撃、中国人労働者の苦闘などが絡む。そしてユニオンパシフィックとセントラルパシフィックの大陸横断鉄道が結ばれアメリカは近代国家として第1歩を踏み出す。破格の製作費45万ドル、興収300万ドルを挙げ、この1作でジョン・フォードの名声は動かぬものになった。
(解説:岡田 喜一郎)


 

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