淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家 - 世界クラシック名画撰集

淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家
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じゃじゃ馬馴らし

 

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じゃじゃ馬馴らし
THE TAMING OF THE SHREW
 
ハリウッドの“クィーン”と“キング” 
スーパースター夫妻がシェイクスピアを飼いならす!
“アメリカの恋人”メアリー・ピックフォードと、楽天的なアクション・キング、ダグラス・フェアバンクスがシェイクスピアを活力あふれるエンタテインメントによみがえらせた。16世紀のイタリア、キャサリンは暴れ出すと手に負えないじゃじゃ馬娘。彼女を押しつけられて結婚した男前のペトルーキオがしとやかなレディに手なづけてゆくお手なみ。何回も映画化された。ミュージカル「キス・ミー・ケイト」の原点。欧米では評価が高まり、劇場再映されている。
<作品情報>
【淀川長治解説映像付き】
 

 
  • 原題:THE TAMING OF THE SHREW
  • 監督:サム・テイラー
  • 脚本:サム・テイラー
  • キャスト:メアリー・ピックフォード/ダグラス・フェアバンクス/エドウィン・マックスウェル/クライド・クック
  • 製作年:1929年
  • 製作国:アメリカ

『じゃじゃ馬馴らし』のお話しましょうね。

これは、おもしろいことにダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォードの共演なんですね。
シェイクスピアの有名なお話で、一流の人はみんな『じゃじゃ馬馴らし』やるんですね。

で、これは男が女をいじめる映画なんです。男が女をむちゃくちゃにいじめる映画なんです。それでシェイクスピアの非常に面白い、大評判になった映画なんです。

どんな話かといいますとね、もう生意気で、生意気で、手に負えない女がいるんですね。
その女を男がいじめるために、大事に、大事にしたように見せかけて、ご馳走並べて「さあ、おあがりなさい」と、その女に言うんですね。
女は、「まあうれしい。お腹すいたわ、いただきましょう」と思ったら、パーン!とそのご馳走みんな捨てちゃうんですね。

この娘に、こんな貧しいものを食べさせちゃだめだよ…と、また出すんですね。
これでいただける、思って食べようとしたら、またパーン!とやって、いくら出しても食べさせないで、もうその女が半泣きになるんですね。
おなかすいた、おななかすいた、今まで威張っていた女が泣くんですね。
それが『じゃじゃ馬馴らし』ですね。

それをダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォードがやったんですね。
ダグラス・フェアバンクスとメアリー・ピックフォードは夫婦ですね。
で、メアリー・ピックフォードとダグラスがどんな生活しているかと言うことを、ちらっと覗かせたようなプライベート映画なんですね。けれども二人が共演した映画で、こんなに面白い映画になって大当りしましたよ。

一番面白いのは、生意気な女を男がどう馴らすかという面白さが、この映画の中でよく出てまして、シェイクスピアという人、なんでも面白く書きますね。
で、この映画『じゃじゃ馬馴らし』は、有名な俳優が必ずいっぺんやるんですね。で、メアリー・ピックフォードとダグラス・フェアバンクスは、もう世界で有名なカップルなんですね。

二人は結婚して世界中まわって、日本にも来たんですね。
メアリー・ピックフォードとダグラスは、もうすごいすごい人気で、この夫婦はどちらも人気トップワン。おまけに、大きな、大きなお屋敷。もうこんな立派な夫婦ないなということになって、日本に来た時も日本の三味線、太鼓でダンス踊ったこともあるんです。

それくらいに仲良かったのに…二人は別れたんですね。
実際に、人間ってどんなに幸福でも自分で破壊するんですね。
ダグラス・フェアバンクスと、そのメアリー・ピックフォードが別れちゃったの。この『じゃじゃ馬馴らし』の後で。
そういうわけで、これは問題の作品ですね。で、私はどっちが悪いか知りませんよ。

けれども、メアリー・ピックフォードは、もう終わりの頃は、バディ・ロジャースという、かわいい、粋な、粋な年下の男の子が好きでその人と一緒になったんですね。
ダグラスは、またダグラスで別の年上の女と仲よくなったんですね。
そういうことがありましたけれども、そのバディ・ロジャースという年下の男の人は結婚してから、ずっと亡くなるまでメアリー・ピックフォードを大事に、大事にしましたね。
だから、割合にメアリー・ピックフォードは男運の良い女優でしたね。

世界で最高の男優、世界で最高の女優が結婚してハッピーエンドになるのに、別れるなんて言うことは、やっぱり人間ていうものは、本当にこわいものですね。 

【解説:淀川長治】

ウィリアム・シェークスピアの名戯曲の映画化。サム・テイラー監督は、?アメリカの恋人?と言われたメアリー・ピックフォードと2枚目アクションスターのダグラス・フェアバンクスを共演させ、シェークスピアを活力溢れたエンタテイメントに蘇らせた。暴れ出すと手に負えないじゃじゃ馬娘キャサリンを夫のベトルーシオが淑女に手なづけていくあたりが見どころで楽しい。ミュージカル「キス・ミー・ケイト」の原典でもある。

(解説:岡田 喜一郎)


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