淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家 - 世界クラシック名画撰集

淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家
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大河のうた

 


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大河のうた
APARAJITO

 

「大地のうた」につづくオプー三部作第二部
成長するオプーがたどる人間的苦しみと悲しみ
インド映画の名声を国際的に高めたレイ監督は、オプーの学生生活にきびしいリアリズム
の目を向け、家族の崩壊をみつめる。
大都会に出た一家は相変わらず貧しく、父親は風邪がもとで死に、成績抜群のオプーは奨学金を得て大学に進む。オプーの成長だけを頼りに田舎で待つ貧しい母親は、息子との心のへだたりが痛手になって死ぬ。親戚たちは村に残れとすすめるが、オプーは悲しみを越えて大都会に期待をかける。大河の流れに似た人生の流転。
<作品情報>
1957年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞、国際批評家連盟賞、チネマ・ヌオーヴォ賞
1957年サンフランシスコ映画祭作品賞、監督賞
1959年アメリカ・ゴールデン・ローレル外国映画賞
1960年ベルリン・セルズニック・ゴールデン・ローレル賞

 
  • 原題:APARAJITO
  • 監督:サタジット・レイ
  • 脚本:
  • キャスト:ピナキ・セン・グプト/カヌ・バナージ 
     
  • 製作年:1956年
  • 製作国:インド

『大河のうた』、これね、ガンジス河のそばへ行きますね、そのインドの風景の凄いこと。
みんなガンジス河に体入れて水浴びますね、そのあたりインドの信仰というものが見事に出て良かったですね。

で、この後が『大樹のうた』ですね。樹がだんだん、だんだん、大きな樹になってるところでオプーが大きくなったとこを表わします。
という訳で、この『大河のうた』、『大樹のうた』、だんだん、だんだん、オプーが大きくなっていくところ、やがてオプーが花嫁さんもらうあたりまでが凄いなあ、見事な映画でしたね。

で、この監督が日本に来た時に、私はサタジット・レイに、「あんたは凄い人ねえ」と言ったら、「いえ、淀川さん、私よりもっと凄い人がいます」って言うから、「誰ですか?」言うたら「Mr.KUROSAWA」と言いましたね。

黒沢さんに非常に尊敬心持ってましたね。この人はカルカッタの人ですから、僕はインドが大好きで、インドの舞踊が大好きですから、カルカッタのダンスの物まねしたんですね。
したら、「淀川さん、よく知ってますね、インドへいらっしゃい」なんて言ってたんです。

ところがこの人、七十六才で亡くなりました。このサタジット・レイはインド映画の中でもハイクラス、トップですね。世界的なトップですね。
そういう意味で、サタジット・レイは凄い監督ですね。

私は『大河のうた』でこの風格、サタジット・レイの風格に酔いましたね。いい監督だなあ、と思いました。
インドでこんな監督が生まれた、いうことは映画の歴史で本当に大きく、大きく残すべきことですね。
で、この人が黒沢明が大好きだ言うことと、それからこの人がカルカッタの生まれで、カルカッタのいろんな事勉強してることも教えてくれました。

けれども、日本に来た時に非常におとなしい人でした。大きな体で、黒沢さんそっくりの体でしたけど、静かな静かな人で、「淀川さん、淀川さん」言って、「歌舞伎、好きですよ」なんて言ってましたけれども、ちっとも威張ってなかったね。本当におとなしかったね。
そういうところに、この人の品格と同時に映画自身の、豊かな、豊かな品格も感じましたね。 

【解説:淀川長治】
 


 

サタジット・レイ監督の「大地のうた」に続く第2部。ベナレスという大都会に移ったものの、ハリ一家の生活は相変わらず貧しい。オプー少年は成長し苦学の末に大学に進学。父の死、母の死を乗り越えて未来に向かう生きざまが、生死の流転を思わせる大河の流れを背景に描かれている。ヴェネチア映画祭グランプリ。

(解説:岡田 喜一郎)


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