淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家 - 世界クラシック名画撰集

淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家
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メトロポリス

 

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メトロポリス
METROPOLIS
 
はい、『メトロポリス』、ご存知ですか?『メトロポリス』これは、フリッツ・ラングの代表的大作ですね。
フリッツ・ラングは、『ジーク・フリード』、非常にドイツのクラシック、大昔の古典の伝説を映画にして見事だったんですね。

ところがとたんに今度『メトロポリス』、超モダンですね。どんな話か言いますと、つまり富豪達、金持ち達、実業家達、そんなの全部集まって労働者を全部地下へ入れて、上は上だけで生活するような都市を造ったんですね、街を。

そうすると、地下の連中が怒ったんですね。「俺達が、働いて、働いて、儲かった、儲かった思ったら、地上の富豪が全部それ吸い取る。こんなばかな事あるか!」と言ったら、その富豪達は、考えて奇麗な人造人間つくったんですね。

労働者が憧れてる女の人の顔を入れて、人造人間つくって、それを地下へやって、なだめて、なだめて、ストライキにならないようにする、そんなお話の映画だったの。
それを、『メトロポリス』、もう当時ドイツで、できた時は、びっくりしましたね。フリッツ・ラングがつくったと言うので。

ところがその人造人間、凄かったんですよ。ドイツがいかに美術的かいうのはね、人造人間、大きな、大きな、ガラスの蓋を開けるとね、人造人間が出てくるんです。
そのデザインが奇麗なこと 。その人造人間、見事な人造人間、なんてドイツは奇麗だろう思いました。

そしてずっと後に、『スター・ウォーズ』とか、ああいう映画観ましたのね。
したら『スター・ウォーズ』に人造人間出てくるの。ロボット、コロコロコロコロ、出て来るんですね。
あれが『メトロポリス』の人造人間のすっかり真似、しかも非常に下手なの。
なんてアメリカは下手だ思いました。

そういう訳で、この人造人間は凄かった。で、フリッツ・ラングのこの『メトロポリス』は、フリッツ・ラング、もう生涯代表の傑作ですね。

で、私がRKOへ行って、フリッツ・ラングに会いましたの。
で、フリッツ・ラングに会って、ちょうどフリッツ・ラングが『夜の衝突』いう映画をやってたんですね、バーバラ・スタンウィック。
そのフリッツ・ラングに会って「フリッツ・ラングさんあんたの『メトロポリス』は凄かったな」と言ったらね、びっくり仰天して、僕に抱きついて僕を抱いて自分の机の上に乗せたんですね。こうして、上からフリッツ・ラングを見たんですね。

「こんな、もったいない事やめて下さい」言ったら、「いや、あんた、あんたがね、フリッツ・ラングがね、『メトロポリス』つくった言ってくれた。このハリウッドだーれも言ってくれなかったんだよ。あんたはいい事言ってくれた」言うぐらいにねフリッツ・ラングは喜びましたよ。

で、『メトロポリス』はドイツの美術ですね。ドイツの最高美術、『メトロポリス』。これは本当にフリッツ・ラングの最高です。

で、そのフリッツ・ラング自身に会って、『夜の衝突』や、RKOの映画に、フリッツ・ラングが、ぼそぼそじゃないけれども、だーれもフリッツ・ラングをそういう、『ジーク・フリード』、あるいは『メトロポリス』の偉い人だいう事をみんなが忘れたように使っているのを僕は怒ったら、フリッツ・ラングがにやにや笑って、「ありがとう、ありがとう」言っておりましたけど、この『夜の衝突』のエキストラの一人に、場面に出て来なかったけれども、そのスタジオにマリリン・モンローがいたんですねえ。
そんなこと私全然思わなかったよ、なんか女工の一人で出てきたんですね。

そういう訳で、フリッツ・ラングが、私自身に「Thank you」と言ってくれた事は、私が『メトロポリス』を言ったからですね。
その人造人間、奇麗ですよ。『スター・ウォーズ』よりずっと、奇麗ですよ。 

【解説:淀川長治】

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