淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家 - 淀川長治さんを語る〜高澤瑛一

淀川長治:明治、大正、昭和、平成にかけて生涯現役、映画一筋に生きた不世出の映画評論家
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淀川長治さんを語る〜高澤瑛一



淀川長治さんの思い出

高澤瑛一

高澤瑛一氏プロフィール
1939年、東京生まれ。1962年、早稲田大学商学部卒業。在学中、映画研究会に所属。印刷会社の営業部勤務を経て、アメリカ大手映画会社の宣伝部に勤務。その後、映画雑誌2誌の編集部に約39年間在籍。並行して、映画評論家として執筆業に従事。

この十数年間は、中国語圏を中心に、アジア・中近東の映画に主眼を置いて執筆を展開。主な著書に「事典映画美」全3巻(朝日ソノラマ)、「映画にみるアメリカの青春」(TBSブリタニカ)、「ラストシーンをもう一度/名画のエンディング Best80」(清水書院)、翻訳書に「刑事コロンボ/偶像のレクイエム」「ファニー・レディ」(二見書房)などがある。08年にはCDBOX「映画音楽名画劇場」(テイチクエンタテインメント)の解説を執筆。日本映画ペンクラブ会員。

大きな円を描いて完結する評論の世界

映画雑誌「ロードショー」在籍中、淀川さんの単行本を2冊刊行しました。タイトルは、「淀川長治 シネマパラダイス」(92年)と「最後のサヨナラ サヨナラ サヨナラ」(没後の99年・ともに集英社刊)。どちらも「ロードショー」の連載記事をまとめたものです。

特に前者は、「ロードショー」創刊20周年記念として淀川長治賞を設立した際に出版された。つまり、20年間の連載原稿がつめこまれた630ページ余の本になっています。本書を編集していて驚いたのは、膨大な原稿を整理して章立てしてみると、世界映画史のすべてがつづられていて、その時々の原稿が最後に円を描くように完璧に完結するのですね。

 具体的にいうと、「チャップリンと活動大写真」から始まり「私が愛する映画監督たち」「映画は心で見るものです(映画の見方・感じ方)」「シネマパラダイス(とっておきの映画うらばなし)」などなど。
特に「大正・活動写真時代の思い出」などの文章には、淀川節がたっぷり。ご自身も前書きで「私がこの目で見、この耳で映画からの音を聞いた、その実際の体験を語れる人は、もはや私くらいの年齢に至った者しかおるまい」と述べている。

 この本の見本が出来て、滞在先のホテルにお届けした翌日の朝早く、淀川さんから自宅に電話がかかってきた。
まだ熟睡中だったのだけど、ハッとして起き上がり、受話器に向かってご挨拶すると、「いい本が出来たね。よかったね。ありがとうね」とおっしゃってくださった。そのときは、本当に涙が出るほど嬉しかったことを、いまでも覚えています。
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